「水道水の水質基準」の秘密をわかりやすく教えます

普段何気なく使っている水道水。日本ではどこへ行っても水道をひねればキレイで安全な水が出てきますよね。では水道水はどのように管理されているのでしょうか?今まで気にもとめていなかった水道水の水質基準の秘密を知って安心して水道水を利用できるようになりましょう。

1.水道水の安全

日本はどこへ行っても蛇口をひねれば透明できれいな水がでてきますよね。見た目はきれいですが、中身はどうなんでしょうか。

水道水の原料となる原水は川や沼、地下水などです。原水はそのままでは多くの不純物、病原微生物(病原性大腸菌O157)などが含まれているため飲むことができません。そこで浄水場などでたくさんの処理を経て水質をチェックし私たちに届けられています。

また水道水を安心して飲めるのが当たり前の国に住んでいる私たちですが、世界には水道水を安心して飲める国は15か国ほどしかないようです。

2.水質基準の項目の数は?

水道水は水道法によって厳しく管理されています。水質基準項目は51項目あります。ちなみにミネラルウォーターは18項目となっています。図のピンクで塗りつぶされたところに書いてある「健康関連31項目と生活上支障関連20項目」を合わせて51項目となります。

そのほかにも「水質管理目標設定項目」が26項目、「要検討項目」が47項目ありたくさんのチェックを受けています。

水道水質基準について
水道法第4条に基づく水質基準は、水質基準に関する省令(平成15年5月30日厚生労働省令第101号)により、定められています。

水道水は、水質基準に適合するものでなければならず、水道法により、水道事業体等に検査の義務が課されています。

水質基準以外にも、水質管理上留意すべき項目を水質管理目標設定項目、毒性評価が定まらない物質や、水道水中での検出実態が明らかでない項目を要検討項目と位置づけ、必要な情報・知見の収集に努めています。水道事業者は、水質基準項目等の検査について、サイト内リンク 水質検査計画 を策定し、需要者に情報提供することとなっています。

3.主な水質基準を見てみよう

それでは実際にどのような項目を調べているのでしょか?主な項目,31項目を見てみましょう。

はじめに)水質基準項目の単位について

ここで簡単に出てくる単位について説明しますね。といっても出てくる単位はmg/Lだけです。1Lの水に何mg入っているかという単位です。たとえば基準が0.02mg/L以下であれば1Lの水に対して0.02mg以下でなければならないという意味です。イメージしやすくするとお風呂いっぱいの水(約200L)では4mg以下でなければならないということです。

1)一般細菌……1mlの検水で形成される集落数が100以下

自然界にはたくさんの細菌が生息していて人間に必要な常在菌なども存在します。ほとんどの菌は病原性はもないとされています。しかし水が汚れていると一般的な細菌も増える傾向にあるので基準が設けられています。1mlの検水で形成される集落数が100以下とは1mlの水から発生する菌の塊が100個以下という意味です。日本の水道水には殺菌消毒のため塩素が入っているためほとんど検出されることはないようです。

2)大腸菌……検出されないこと

大腸菌はみなさんも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?大腸菌は糞便による汚染を見る重要な指標となっています。大腸菌はときに命に関わるような病気になることもあるため検出されないこととなっています。大腸菌も塩素のおかげで検出されることはないようです。

3)カドミウム及びその化合物……カドミウムの量に関して、0.003mg/L以下

自然界の水にはほとんどカドミウムは含まれていないようですが、工場や鉱山、産業廃棄物処理場などからの排水から水が汚染されることがあるようです。小学生の時に社会で学習したイタイイタイ病の原因となった物質です。

4)水銀及びその化合物……水銀の量に関して、0.0005mg/L以下

自然界に存在する微量の水銀や工場の排水から川などが汚染されることがあるようです。水銀は身近なところでは体温計や温度計にも使われています。水銀も公害病の一つ水俣病の原因とされています。

5)鉛及びその化合物……鉛の量に関して、0.01mg/L以下

鉛は土に含まれていたり、工場や鉱山の排水にから混入したりすることがあります。鉛は人の体に取り込まれると蓄積されてしまい慢性の中毒症状を起こしてしまうようです。

6)ヒ素及びその化合物……ヒ素の量に関して、0.01mg/L以下

ヒ素は鉱物とともに存在していて鉱山、精錬所、革の工場、染料の工場などの排水から汚染が起こることがあるようです。人の体に取り込まれると蓄積され感覚異常や末梢性神経症などを引き起こすことがあるようです。

7)シアン化物イオン及び塩化シアン……シアンの量に関して、0.01mg/L以下

シアンはメッキ工場、写真工業などの排水から汚染されることがあるようです。この物質はよくサスペンスドラマなどで「青酸カリ」という毒物として登場します。めまいや意識消失などの症状がでることがあるようです。

8)フッ素及びその化合物……フッ素の量に関して、0.8mg/L以下

フッ素と言えば虫歯予防を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?フッ素は虫歯予防に利用されていますが、摂りすぎると歯に斑点ができたりすることもあるようです。

9)ホウ素及びその化合物……ホウ素の量に関して、1.0mg/L以下

ホウ素は単独では存在せず化合物として火山地帯の地下水などに含まれているようです。またガラス工業や金属加工工場などからの排水で汚染されることもあります。多く摂取すると生殖器に影響があると言われています。

10)ベンゼン……0.01mg/L以下

合成ゴムや染料、合成洗剤の原料となる物質です。人の体への影響としては嘔吐や頭痛、こん睡など中枢神経への影響があるようです。

11)塩素酸……0.6mg/L以下

浄水場で使用する殺菌消毒薬に含まれていて、高濃度での毒性を考慮して基準値が設けられています。

12)クロロホルム……0.06mg/L以下

原水を処理するときに殺菌消毒のために入れる塩素と他の物質が反応して生成されるものです。人の体への影響は肝臓や腎臓への障害などと発がん性などがあるようです。

13)臭素酸……0.01mg/L以下

原水の処理の過程で出てくる物質です。人の体への影響としては肝臓機能や聴覚などに障害をもたらすようです。

14)総トリハロメタン……0.1mg/L以下

トリハロメタンは耳にしたことがある人もいるのではないでしょうか?浄水器の会社がこの物質も除去できることをよく宣伝に利用していますね。

15)ホルムアルデヒド……0.08mg/L以下

ホルムアルデヒドは「ホルマリン」とも言われます。動物標本に使われたりする液体です。ホルムアルデヒドも原水の処理過程で生成されます。またシックハウス症候群の原因物質の一つとも言われているようです。

16)亜鉛及びその化合物……亜鉛の量に関して、1.0mg/L以下

自然界には亜鉛はわずかしかなく、鉱山や工場の排水からの汚染や水道管の亜鉛メッキが溶け出して混ざってしまうことがあるようです。亜鉛は人の体にとって必須の元素であるが、過剰になると腎障害や神経障害などが出ることがあるようです。

17)アルミニウム及びその化合物……アルミニウムの量に関して、0.2mg/L以下

アルミニウムは土の中に含まれている金属元素としては一番多く世界中に広く分布しています。自然界からの混入はあまりなく工場、鉱山の排水また温泉などから混入してしまうことがあるようです。アルミニウムはすばやく尿のなかへ排出されますが、尿がでない腎不全の患者に蓄積されると脳症になることがあるようです。

18)鉄及びその化合物……鉄の量に関して、0.3mg/L以下

鉄は岩石や土の中に含まれているが、水の汚染に関わるのは水道管の老朽化が原因となっている場合もあるようです。鉄は人の体にとっては必須の元素で欠乏すると貧血症状を起こすことで有名ですね。過剰にとっても健常者にはほとんど影響がないと言われています。しかし基準を超えると水道水の色が赤くなったり、味やニオイにも異常をきたします。

19)銅及びその化合物……銅の量に関して、1.0mg/L以下

銅は鉱山、工場の排水、農薬散布などにより混入することがあります。また給湯器を使用している場合銅製の給水管が使われていることがありそこから溶け出すそうです。銅は人の体には必要な元素ですが、水道水に基準以上含まれると味が変化したり色が青味がかることがあるようです。

20)ナトリウム及びその化合物……ナトリウムの量に関して、200mg/L以下

ナトリウムは水の浄水処理の過程で使用する薬剤などに含まれています。ナトリウムも人の体には必須の元素です。基準としては塩辛さを感じない量となっているそうです。

21)マンガン及びその化合物……マンガンの量に関して、0.05mg/L以下

マンガンは水道管に付着したものが水の流れではがれて混入するようです。マンガンも人の体には必須の元素ですが、過剰になると慢性の中毒となり神経症状や全身のけんたい感が出ることもあるようです。

22)塩化物イオン……200mg/L以下

塩化物イオンは工場の排水や生活排水などから混ざることがあるそうです。水道水に基準値以上含まれると塩辛くなります。また過剰に摂取すると心臓などに影響が出ることもあるようです。さらに塩化物イオンは金属を腐食させる作用もあるので、低濃度がよいとされているそうです。

23)カルシウム、マグネシウム等(硬度)……300mg/L以下

カルシウム、マグネシウムはいわゆるミネラルと呼ばれるものの代表格です。硬水と軟水を分ける成分で、水1Lの中に含まれる量が120mg以下を軟水、121mg以上を硬水と呼びます。硬水と軟水はそれぞれメリットとデメリットがありますが、300mg/Lは洗浄効果に影響が出るため基準とされているようです。快適に利用できる基準値は目標値として10mg/Lから100mg/Lとなっています。

24)蒸発残留物……500mg/L以下

蒸発残留物とは水道水が蒸発したあとに出てくるミネラル分で水の味に影響を与えるため設定されています。基準値は味を悪くしない量となっています。

25)フェノール類……フェノールの量に換算して、0.005mg/L以下

フェノールは防腐剤や消毒薬などに使われています。フェノールが原水に含まれていると塩素と反応して強い不快なニオイを発生します。また過剰に摂取すると嘔吐や消化器系に影響が出ることがあるようです。

26)有機物(全有機炭素の量)……3mg/L以下

有機物は工場、生活排水が原水に混ざることで増加します。基準値は水道水の味を悪くしない量となっているようです。

27)ph値……5.8以上8.6以下

pH値はペーハーなどと呼ばれ聞いたことがあるのではないでしょうか?理科でならった酸性、アルカリ性を見る基準値です。pH7が中性で7より低くなれば酸性が強くなり高くなればアルカリ性が強くなります。基準値の数値は弱酸性から弱アルカリ性となっています。

28)味……異常でないこと

水道水は本来無味ですが、混入する不純物の種類や量によって塩辛さや苦み、渋みを感じることがあります。そのため味に異常がないかを判定しています。

29)臭気……異常でないこと

水道水は味と同じく無臭ですが、殺菌消毒薬である塩素を入れるので塩素臭はあります。カビや藻類、油分、金属腐食などにより塩素臭以外のニオイがすることがあります。塩素臭以外のニオイがする場合は異常となります。

30)色度……5度以下

色度とは水の色の度合いを示すものです。水道水は基本的には無色透明ですが、鉄分などの不純物が混入することで色が着くことがあります。水の汚れ具合の基準にもなっています。基準値の5度とは肉眼では色を識別できない値となっています。

31)濁度(だくど)……2度以下

水のにごり具合、透明度を見るものです。濁度も鉄分等の不純物が混入することで生じることがあります。
また給水の施設や事故などを判断するときの指標の一つにもなります。基準値の2度は肉眼ではにごりを感じられない値となっています。
その他の項目……残りの20項目です。

  • セレン及びその化合物……0.01mg/L以下
  • 六価クロム及びその化合物……0.05mg/L以下
  • 亜硝酸態窒素……0.04mg/L以下
  • 硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素……10mg/L以下
  • 四塩化炭素……0.002mg/L以下
  • 1.4ジオキサン……0.05mg/L以下
  • シス1.2ジクロロエチレン及びトランス1.2ジクロロエチレン……0.04mg/L以下
  • ジクロロメタン……0.02mg/L以下
  • テトラクロロエチレン……0.01mg/L以下
  • トリクロロエチレン……0.01mg/L以下
  • クロロ酢酸……0.02mg/L以下
  • ジクロロ酢酸……0.03mg/L以下
  • ジブロモクロロメタン……0.1mg/L以下
  • トリクロロ酢酸……0.03mg/L以下
  • ブロモジクロロメタン0.03mg/L以下
  • ブロモホルム……0.09mg/L以下
  • 陰イオン界面活性剤……0.2mg/L以下
  • ジェオスミン……0.00001mg/L以下
  • 2-メチルイソボルネオール……0.0001mg/L以下
  • 非イオン界面活性剤……0.02mg/L以下

まとめ

いかがでしたか?水道水は水道法という法律によってたくさんの厳しい検査を受けているのですね。

ここに紹介した51項目のすべてを基準値以下に保つために浄水場ではたくさんの工程で水を浄化しています。

水道水はあまりにも身近過ぎてどのように作られているのか考えたことがある人はほとんどいないのではないでしょうか。水道水は料理や飲み水、生活用水として私たちの生活にはかかせません。主な水質基準の内容を知ることで安心して利用することができるようになるかもしれませんね。

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