自己愛性人格障害とは、どんな病気か知っていますか?現在「モラハラ」という言葉も広く認識されていると思いますが、じつはこのモラハラの加害者の多くは、自己愛性人格障害である人だと言われています。このような自己愛性人格障害の人の特徴から原因、相手との付き合い方などを調べてみました。

自己愛性人格障害

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自己愛性人格(パーソナリティ)障害とは、どんな精神疾患であるかみなさんはご存知でしょうか?もしかしたら、名前だけは聞いたことがある人もいるかもしれません。また、現在では職場やパートナーとの関係においても、「モラハラ」というものが広く認識されてきていることから、この自己愛性人格(パーソナリティ)障害を知っている人もいるのではないでしょうか。

自己愛性人格(パーソナリティ)障害は、このようなモラハラの加害者である場合が多いと言われており、職場やプライベートな関係において、健全な関係を築けないことが問題となっています。そのため、このような自己愛性人格(パーソナリティ)障害の人が身近にいる人は、その接し方などにとても手を焼いている人も多いのではないでしょうか。

今回はこの自己愛性人格(パーソナリティ)障害の特徴から原因、自己愛性人格(パーソナリティ)障害の人との接し方や治療方法までを調べてみました。身近に自己愛性人格(パーソナリティ)障害の人がいるという人は、ぜひ参考にしてみてください。こちらの記事を参考にすれば、今後の関係性をもっとうまく築くことができるのではないでしょうか。

自己愛性人格(パーソナリティ)障害の特徴

ありのままの自分を愛せない

自己愛性人格(パーソナリティ)障害の人は、この名の通りの解釈をすれば、自分が好きでたまらないという人が持っている人格のようですが、実は実際の自分が愛せないという障害をもっている状態からくるものです。

こうした自己愛性人格障害では、心の奥底にいつも「自分はダメだ」「自分のせいだ」「自分がいなければうまくいく」と言った歪んだ解釈をしがちで、強いコンプレックスや劣等感がある人が多いのです。

そして特徴的なのが、自分がありのままを出していると人に愛されないと思っている為、常に人の意見や存在に左右されてしまい悩みます。「自分は当然認められるべきだ」「自分は誰よりもできる」「人は自分より劣っている」といった歪んだ強い自尊心から、感謝や賞賛、愛情を求める為に、理想の自分を作り上げてそのギャップに悩むという不満が起こります。

こうした人のそばにいると、特別扱いしないと怒り出したり、身近な人が逆に攻め続けられてDV被害にあったりすることもあります。人を責めることで自分の精神の安定を図っているのです。常に不安が付きまといますので、たまたま承認欲求が満たされた場合にだけ、心の平穏が訪れるといった状態になってしまいます。

このようなことから、本来自分は他人よりも優越的な存在であるはずで、素晴らしい特別な存在でもあり、他人から見ても偉大な存在でなければならないと思っていると言われています。そして、愛する自分は、とにかく誰よりも輝いていなければならない存在であると考えていますが、このような自分はありのままの自分ではないため、現実とのギャップが生じてしまうと言われています。

劣等感

自己愛性人格(パーソナリティ)障害の人は、その傲慢な態度とは裏腹に、強い劣等感を持っていると言われています。その理由は、前述もしたように、ありのままの自分と理想の自分とのギャップの差があるからです。

また、このような傲慢さや他人に対しての優越性、自分が劣っていると感じたときの過剰な反応などは、じつは強力な劣等感や、決して人から愛されないという自己感覚に対する、防衛的心理によるものであると言われています。

そのため、このような強烈な劣等感が根底にあることによって、それが反動となり自己価値観を正当化したり、高慢で横柄な態度をとったり、自分は特別な人間であると思い込む傾向があると言われています。

そして、劣等感が強いために人間としての器が小さいために、ささいな批判ですら受け入れることができないことから、批判的なことをを言われた場合には相手を逆恨みし、言いがかりをつけてきた悪者に仕立て上げることもあると言われています。

過剰な賞賛や特別扱いを求める

過剰な賞賛や特別扱いを求めるのも、自己愛性人格(パーソナリティ)障害の人の特徴であると言われています。それは、自分が他人よりも優れているという証拠を誇示したいからです。そのため、「今すぐこの瞬間に、自分だけが評価されたい」という欲求が強く、主役になりたがったり、人の上に立ちたがる人が多いと言われています。

そして、自己愛性人格(パーソナリティ)障害の人は、承認欲求が非常に強く、自分の僅かな価値ある実績が人より劣っているとわかると、もろくもその自信が崩れてしまい、落ち込んでしまったり、自信喪失から不満ばかりを言ってみたり、他者を攻撃したりして自分自身の心の平穏を保っていこうとします。

ですから、自己愛性人格障害の人は、つねに他者からの評価に影響されやすく、他人からどう見られているのかが気になって仕方がありません。そのため、少しでも人に認めてもらえないと、自分の精神の安定が図れないために、他人との比較に苛まれてしまいます。

また、こうした人はおだてやお世辞、ほめてくれる人が大好きで、それをずっと追い求めて一生を終える人もいます。自分の評価がいかに良いのかを人から聞けたら安心できるため、評価の良い自分しか受け入れられず、しばしば人間関係でトラブルが生じます。人から少しでも批判をされると、人格すべてを傷つけられたと感じて落ち込み、過剰な反応をして他者に暴言を吐いて傷つけたりすることがあります。

このように、自己愛性人格(パーソナリティ)障害の人は、一見自分が大好きそうに映るのですが、内実は自分が信じられず自分が嫌いになっている状態で、他人から自分がどう思われるかを異様に気にします。そのため、人の評価に左右されすぎてしまい、その場しのぎの対応をするために個性がなく、場合によっては嘘すらつき通す人もいるようです。

自己暗示

普通の人間である自分の短所などを受け入れられないために、自分は特別な人間であると自分自身に自己暗示をかけることも、自己愛性人格(パーソナリティ)障害の人の特徴です。そのため、とくに実績がなくても、誇大的で自信に満ち溢れた行動をとる人が多いと言われています。

そして厄介なことは、自分の実績がないのにもかかわらず「自分は人とは違う特別な人間だ」と思い込み、それを周囲の人にアピールして評価を求め特別扱いをしてもらおうと言う行動が見られます。

その為一生懸命頑張っていても、理想の自分とのギャップがあまりにも違いすぎて、常に到達できない不安感や不満を持つようになります。ですから自己愛性人格障害の人は、常に不満で満ちているためイライラしている人が多いと言われています。

自己愛性人格(パーソナリティ)障害の原因

養育環境

自己愛性人格(パーソナリティ)障害の原因の一つは、幼少期に受けた親からの影響であると言われています。一般的には、幼少期における高い自己意識や誇大的なナルシシズムは、成長における過程として特徴的なものであり、ごく普通に見られる発達の一部であると言われています。

なぜなら、幼少期の子供には、現実の自分と理想の自分との間にある違いを理解できないからです。その後、8歳を過ぎる頃になれば自己意識が目覚めるために、ポジティブなものとネガティブなものの両方を理解できるようになり、同年代の友人たちと自分とを比較して発達し始めることから、現実的なものが理解できるようになります。

そのため、ほとんどの児童はこの時点で自己を正確に理解し始めると言われていますが、親に過保護に育てられた子供の場合には、その理想と現実の区別がつかないままに成長してしまうことから、自己愛性人格(パーソナリティ)障害となってしまう人がいると言われています。

愛情不足

前述の過保護とは反対で、幼少期における親からの愛情不足が、自己愛性人格(パーソナリティ)障害の原因となる場合があると言われています。

これは、幼い頃に両親から愛情をもらいそこねたことが原因で起こります。両親が忙しく子供に無関心であり愛情を注がなかった家庭では、ありのままの自分を愛してもらえるという感覚が幼い頃から育たないために、気を引いたり取引しなくては愛情がもらえないのかと理解してしまうため、人が信用できなくなります。

こうした幼い頃の親に受け入れてもらえていないという愛情不足が基本となり、自己愛性人格障害(パーソナリティー障害)になってしまうと言われています。こうした場合、幼少の時期から「自分はありのままで愛してもらえない」「自分は何も価値がない人間だ」という自分の無価値感が脳に刻み込まれて成長しているため、常に無意識の中で自己防衛に入ってしまいます。

例えば「自分はこれほどまでに素晴らしい才能を持っていて、それをまだ人は理解していない」という間違った解釈で物事を進めてしまい、等身大に自分とは違った理想の自分を思い描いていってしまうという行動が見られます。

神経伝達物質の不足

また、自己愛性人格(パーソナリティ)障害は、神経伝達物質の不足が原因であるとも言われています。神経伝達物質とは、主にノルアドレナリン、セロトニン、ドーパミンの3つであると言われています。以下に各神経伝達物質の特徴をあげます。

・セロトニン
やる気が出たり、気持ちが明るくなる成分です。食欲や睡眠にも深い関わりがあると言われています。

・ドーパミン
覚醒、陶酔感、快楽などの感情を伴う物質。ドーパミンが多く分泌されると、攻撃的になったり創造力を高める働きもあります。

・ノルアドレナリン
分泌すると興奮状態になり、不安や恐怖感を感じます。ストレスを感じているときに多く分泌すると言われています。

このような、3つの神経伝達物質種類や量、バランスなどによって、人間の感情が変わると言われています。そのため、セロトニンの分泌が少ないと、心配、不安、悲観的、ネガティブ、マイナス思考になりやすいと言われています。また、ノルアドレナリンの量により、共感性を持てるかどうかに影響が出たり、ドーパミンの量が少ないと、好奇心や刺激を求める感情が湧かなくなると言われています。

そのため、これらの神経伝達物質の不足により、バランスを保てなくなることから、自己愛性人格(パーソナリティ)障害となる可能性もあると言われています。

自己愛性人格(パーソナリティ)障害の人との接し方(対処方法)

競争相手ではないことを相手に示す

自己愛性人格(パーソナリティ)障害の人と接する場合には、競争相手にならないように注意しましょう。なぜなら、自己愛性人格(パーソナリティ)障害の人は、誰でも競争相手やライバルとして見てしまう傾向があるからです。そのため、あなたが気づかないうちに、勝手に勝ち負けを競う「競争相手」とみなされてしまうことがあると言われています。

もしも、競争相手だとみなされた場合には、攻撃的な態度やさげすむような態度をとられるようになってしまうため注意が必要です。また、相手の挑発などには気づかないふりをすることもポイントです。

もしも、自己愛性人格(パーソナリティ)障害の人が何か含みのある言い方をしてきた際には、それには気がつかなかったことにし、あくまでも用件のみに「Yes」か「NO」だけなどの返答だけで返すようにしましょう。

基本的に自己愛性人格(パーソナリティ)障害の人は、小心であり嫉妬深く負けず嫌いであるため、義務や道理などの一般論が通用しないことが多いと言われています。そのため、相手の競争相手にはならないようにし、とにかく賞賛する側に回るようにしましょう。

なぜなら、自己愛性人格(パーソナリティ)障害の人は、すべての人から賞賛が欲しいため、相手が望むものを与えてあげれば、今度はあなたを重んじてくれるようになるからです。

嫉妬されないような行動をしておく

自己愛性人格(パーソナリティ)障害の人と接する場合には、嫉妬を向けれるようなことを慎むのも重要であると言えるでしょう。なぜなら、前述もしたように、彼らは嫉妬深く負けず嫌いであるからです。そのため、何か嫉妬を向けられるようなことをしてしまった場合には、あなたを執拗に攻撃してくる可能性があります。

そのため、自己愛性人格(パーソナリティ)障害の人から、嫉妬されるようなこと(たとえば彼らよりも注目を集めたりなど)は、慎むのが無難であると言えるでしょう。自己愛性人格(パーソナリティ)障害の人に「敵」と見なされないためにも、容姿や服装、能力、生活態度、仕事の業績など、さまざまな部分において、本人が欲しい賞賛を与えてあげるようにしましょう。

相手の要求を全部のまない

自己愛性人格(パーソナリティ)障害の人は、自己中心的であり、図々しい人が多いと言われています。そのため、自分のために人がしてくれてもそれは当然のことであると考えているため、親しくなればなるほど、厚かましい態度や要求をしてくるようになると言われています。

また、自己愛性人格(パーソナリティ)障害の人は、他人はすべて自分のために働いてくれる存在であると思っているため、何かをしてもらったとしても感謝すらしないこともあると言われています。そのため、もしも思い通りに動かなかった場合などには、怒り狂うこともあるほどです。

このような自己愛性人格(パーソナリティ)障害の人と付き合っていると、いつの間にか自分が相手の手足になって動かされていることもあるため注意するようにしましょう。相手の手足になり続けてしまうと、まるで主人と下僕のような関係が固定化されてしまうからです。

また、自己愛性人格(パーソナリティ)障害の人は、急に自分勝手な頼み事や要求をしてくることがあるので、たとえどんなに丁重に振舞っていたとしても、承諾しないようにしましょう。一度承諾してしまうと、どんどん面倒なことに巻き込まれる可能性があるからです。

面倒なことに巻き込まれた挙句、感謝されずに逆に陰口などを言われたり、恨まれたりすることもあるため、彼らの手足となることははっきりと断るようにするのが重要であると言えるでしょう。

相手を追い詰める存在にならない

前述したように、自己愛性人格(パーソナリティ)障害の人は、対人関係において相手を「敵」か「味方」かで区別する特徴があります。彼らには「敵」か「味方」かの極端な考え方しかできず、この2つ以外の判断基準がありません。

そのため、もしも「敵」と判断されてしまった場合には、あなたは相手にとって「脅威」となる可能性があります。もしも、相手の脅威となってしまった場合には、おそらく何かにつけて言いがかりをつけてきたり、ささいなことでもあなたと優劣をつけたがったり、あるいは仲の良いグループなどで陰口を言うなどをし、仲間はずれにしようとするおそれもあります。

このようなトラブルを避けるためにも、自己愛性人格(パーソナリティ)障害の人の脅威にはならないように、十分に注意する必要があるでしょう。

相手を尊重して見下さない

自己愛性人格(パーソナリティ)障害の人と接するには、まずは共感から始めることが大切であるとも言われています。なぜなら、自己愛性人格障害の人は自己愛が高いために、自己中心的な考え方になってしまうことから、人付き合いが上手くない人が多いからです。

このような自己愛性人格(パーソナリティ)障害の人との接し方のコツは、決してからかったりせずに、自分よりも「目下」であるというような扱いをしないことです。お世辞までを言う必要はありませんが、相手を立ててあげると良いでしょう。

また、相手が理想などを語るときにも、決して否定をしないようにし、聞いてあげる側に回るのがポイントです。このように共感をこめて接することにより、自己愛性人格(パーソナリティ)障害の人に「味方」であると認識されるため、余計なトラブルが起こらないようになるからです。

付かず離れずの関係で

自己愛性人格(パーソナリティ)障害の人と接するには、問題を客観的に捉えることが重要です。自己愛性人格(パーソナリティ)障害の人の言動や行動に悩まされている人にとっては、悪口を言いたくなったり、避けたりしたくなるかもしれません。

しかし、自己愛性人格(パーソナリティ)障害の人は、攻撃的な態度をされると関係性は、一切修復不能になってしまいますから、無用なトラブルで関わっている本人が悩まないように、つかず離れずの関係が好ましいです。

相手を尊重しつつも、相談に乗ってあげたり共感してあげることで、自己愛性人格(パーソナリティ)障害の人の気持ちが落ち着き、相手は自分を裏切らない人だと認識して落ちつきを保てるようになります。相手の立場や状況などを踏まえて、適切な対応をするようにしましょう。

自己愛性人格(パーソナリティ)障害の治療

精神療法

自己愛性人格(パーソナリティ)障害の治療法の1つとして、精神療法というものがあります。しかし、精神療法の治療の進展のためには、患者本人が自己愛と決別する必要があるため、とても困難な方法であるとも言われています。

なぜならば、自己愛性人格(パーソナリティ)障害の人は、自分で自己愛性人格(パーソナリティ)障害ということを自覚していない人が多いからです。また、年をとればとるほど、状態は悪化するといわれており、その理由には心理療法にはまずは自分の欠陥を受け入れることが重要であるため、年齢を重ねれば重ねるほど、自己肯定感が増してしまうからです。

また、自己愛性人格(パーソナリティ)障害を自己洞察するのは、不可能であると言われています。なぜなら、自己愛性人格(パーソナリティ)障害の起源は言語などが成立する以前にあると言われており、すでに内部で自明のものとして働いてしまっているため、自分の考え方が自己愛性人格(パーソナリティ)障害であると認識することができないからです。

このようなことから、すでに人格形成期(幼少期)に歪んだ方向に成長してしまった人格障害は、おそらく一生治ることはないとまで言われています。また、この原因は前頭葉に問題があるとも言われており、それ故に治療が困難であると言われています。しかし、本人に自覚症状があり、努力して治したいと思う場合には、有効である可能性もあるため、一度試してみることをおすすめします。

薬物療法

自己愛性人格(パーソナリティ)障害の治療として、薬物療法というものもあります。このような精神病患者にとって一番有効なのは精神療法であるため、即効性は期待ができないものの、今現在悩んでいるような症状をやわらげ、当面の危機と乗り越えるためには有効な方法であると言われています。

このような薬物療法の場合には、その症状に合わせて適切な薬が処方されます。主に使用されるのは、安定剤や抗うつ剤であると言われており、以下のような種類があります。

・抗うつ薬
気持ちの落ち込みが続くときなどに用いられ、主にセロトニンなどの神経伝達物質を調節する成分が配合されているものを用います。

・抗不安薬
不安や焦り、イライラ感などが強い場合に用いられる薬で、依存性や乱用などの衝動的な行動を増す恐れもあるため、注意が必要な薬です。

・抗精神病薬
主にドーパミン系の神経に作用し鎮静させる効果があります。自傷行為などが強くみられる場合にのみ使われる薬です。

・気分安定薬
うつ病、躁病などの改善や、躁うつ病の予防のために用いられる薬です。

・不眠症状
睡眠薬や抗不安薬が用いられますが、依存性が高いため長期間や大量摂取などの服用は禁止されています。

・過食傾向
過食の傾向がみられるときのみ、適切な薬を処方します。

これらは、あくまでも治療の一環として処方されますが、あくまでもつらい症状を軽減させるための対処療法になります。そのため、必ず精神療法も併用して行われることが多いと言われています。

なぜなら、自己愛性人格(パーソナリティ)障害そのものを、薬で治すことはできないからです。また、抗不安薬は症状に対し即効性があるものの、依存性や抑制解除作用が出るおそれがあることから、なるべく使用は避けた方が良いと言われています。

家族療法

親が自己愛性人格障害(パーソナリティ障害)を持つと、やはりその子供も自己愛に対しての問題をいくつか抱えている可能性が高いそうです。

こういった場合では、親子間で自己愛の傾向が継続していくことがあるので、それを断ち切るためにも「家族療法」と言う方法を用いた、家族全員での治療が効果的になります。しかし、日常の中で家族全員が集まって治療を継続的にしていくのは、かなり難しくそれだけにきちんとした治療を行えば効果があると言われています。

家族療法の具体的な方法は、家族全員が集まって面接を行います。コミュニケーションのどこが欠如しているのか毎回家族で話し合っていきます。そして次に大切なのが、親と子の立ち位置の確認です。今まで機能不全だった親子関係にメスをいれ、親と子の役割を再確認していくような導きを行います。

短期的に集中して解決を行いたい時は、家族の中でキーを握っている人がキーパーソンとなって、今までとは違った方法で家族関係が安定するよう導いていきます。今までの家族の誤った役割が固定化しているのを代える切っ掛けになるように、一人一人に対して治療に結びつく指導がされます。

こうした家族そろっての治療法は、患者にとって一番身近な関係であるところを修復していけるため、自己愛をもち悩んでいる方にとっては非常に効果的な療法になります。家族で取り組むことで、今までにはない家族の絆を感じて、家族全体にも継続して良い方向に向かうのが治療の目的になります。

夫婦療法

夫婦間で自己愛性人格(パーソナリティ)障害のトラブルが現れる場合には、夫婦で問題を解決していく夫婦療法があると言われています。自己愛性人格(パーソナリティ)障害の特徴でもある誇大な自己愛を抱えている人は、中年期以降などに夫婦関係に問題が発生することが多いと言われています。

これは、お互いに長年溜め込んでいた不満が爆発することにより、発生するトラブルであると言われており、夫婦のどちらかが自己愛性人格(パーソナリティ)障害であるために、熟年離婚に至るケースも多いようです。そのため、熟年離婚などの危機に面している人は、一度自己愛性人格(パーソナリティ)障害を疑う必要があるかもしれません。

入院治療

自己愛性人格(パーソナリティ)障害を治す方法としては、通院以外にも入院治療があります。しかし、自己愛性人格(パーソナリティ)障害の患者は、その障害の特徴から入院治療の効果に誇大な期待を持ったり、院内のスタッフを自分の思い通りに動かせる存在とみなしたりする傾向があります。

そのため、入院治療を進めたものの、自分の思い通りにならない場合には、強く反発して問題行動を起こしたり、スタッフとの関係性にも問題が生じるなど、トラブルを起こすことが多いと言われています。このようなことにならないためにも、入院治療を進める前に、治療の枠組みなどをきちんと決めておく必要があります。

また、このような入院治療のメリットとしては、以下のようなものがあります。

・患者の実態を把握することができる
入院生活において患者がみせる行動の多くには、その心が反映されていることが多いため、治療スタッフは患者の実態を把握することができます。

・病院内の出来事を治療に活かすことができる
患者の行動や対人関係などから、病理を読み取ることができるため、それを患者自身に理解させたりなど、治療に活かすことができます。

ただし、最低限の入院規則を守れない人は、入院治療を受けることはできません。しかし、このような規則を守ることや、治療スタッフと人間関係を築くということは、自己愛性人格(パーソナリティ)障害の治療をするにあたり、大きな意味があると言えるため、集中的に治したいという人の場合には、最適な方法であると言えるかもしれません。

まとめ

自己愛性人格(パーソナリティ)障害の特徴から原因、自己愛性人格(パーソナリティ)障害の人との接し方や障害の治療方法までをご紹介してきました。自己愛性人格(パーソナリティ)障害とは、その態度や反応とは裏腹にありのままの自分を愛せない人が陥る精神障害であることがわかりました。

このような自己愛性人格(パーソナリティ)障害の人の主な原因は、幼少期の養育環境であると言われており、そのほとんどが両親との関係を健全に築けていないことであると言われています。また、自己愛性人格(パーソナリティ)障害の人の親も、何らかの人格障害を持っていることが多いために、家族内においてはこの自己愛性人格(パーソナリティ)障害を見抜くことが困難であると言われています。

しかし、このような自己愛性人格(パーソナリティ)障害の人は、日常生活において他人にとても悪影響を及ぼすことが多いことから、接する人によってはモラハラであると感じることも多いため、注意が必要であると言えるでしょう。

また、被害者となってしまっている人も、このような自己愛性人格(パーソナリティ)障害の特徴や接し方を知り、うまく付き合っていく方法を見出す必要があるでしょう。このような自己愛性人格(パーソナリティ)障害は、現在ではざまざまな治療方法があると言われています。

治療方法としては精神療法が主な方法であると言われていますが、実際には患者自身がきちんと自己愛性人格(パーソナリティ)障害であることを自覚していない場合には、あまり意味がないと言われています。そのため、個人的に治療を進めるのではなく、家族ぐるみで治療を進める家族療法がもっとも有効な治療法であると言えるでしょう。