マイスリーってどんな薬なの?ハルシオンとの違いは?6つの効果と6つの副作用や注意点などの基礎知識を徹底解明!

不眠症によく処方される薬剤の代表的なものに「ハルシオン」と「マイスリー」があります。以前はハルシオンが処方されることがほとんどでしたが、2000年にマイスリーが発売されて以降はマイスリーの処方も増え、その知名度も上がってきています。ですが、マイスリーの特徴についてきちんと把握されている方はそう多くありません。ここでは、マイスリーの効果や副作用、ハルシオンとの違いなどについてご説明していきます。

睡眠薬マイスリー錠の効果と副作用

マイスリー錠はアステラス製薬から2000年に発売された薬剤で、不眠症に対して処方される睡眠薬です。これまでの睡眠薬と比べ、筋弛緩作用や抗不安作用といった副作用が比較的弱いのが特徴的で、現在は睡眠薬を処方する際の第一選択薬として処方されることも増えてきています。

また、マイスリーはこれまでの睡眠薬と比較して自然な眠りに入ることが出来ることと、効果発現までの時間が比較的早いため、不眠症の症状の中でも特に入眠障害が強く表れている方に処方されることが多いとされています。

マイスリーには、5mg錠と10mg錠の2種類の剤形があります。マイスリーに対する反応には個人差が大きく、朦朧状態や睡眠随伴症状(夢遊症状など)が用量依存的に現れることがあるため、服用は必ず5mg錠から開始することになります。

マイスリーは就寝前の1日1回服用する薬剤で、5mg錠を使用していても効果が現れない場合には10mgまで服用量を増やすことが可能です。もし5mg錠を服用していても効果が出ない場合には、医師に相談してみてください。副作用の発現状況や効果の出方などを総合的に判断して、10mg錠を処方してもらえることもあります。

マイスリーは効果や副作用を鑑みながら、医師から指示された服用方法をきちんと守ることが大切な薬剤です。マイスリーを使用する上でのメリットとデメリットをしっかりと押さえて、適切に服用するようにしてくださいね。

不眠症のタイプ

入眠障害

不眠症には大きく分けて4つのタイプがあります。入眠障害は不眠症のタイプの1つで、「夜、布団に入ってもなかなか寝付くことが出来ない」という症状が現れます。この症状は、不眠症の症状の中で最も発症頻度の高いものとされています。

入眠障害が疑われる状態として、同じ時間に布団に入っても1時間以上眠れない、疲労感があるのに何日も眠れない日が続く、気持ちが焦り余計に寝付けない、睡眠のリズムが整わないなどが挙げられます。

つまり、寝入るまでの時間が1時間以上かかっていたとしても、人によってはそれが苦痛にはなりません。入眠障害のポイントは、自分の寝つきの悪さに対して、苦痛を感じるほどのストレスを感じているかどうかです。日中でに活動する時に影響が出ていなければ入眠障害と判断されず、問題ないとされています。

入眠障害が起こる原因は、精神的なストレスや体内時計のズレなどが挙げられます。ただ、複数の原因が絡み合っている場合も多いですから、自己判断の対策法を取るよりは睡眠外来のある病院で医師に相談するのが、入眠障害改善の近道となることが多いようです。

中途覚醒

中途覚醒とは、寝つきは問題ないのに夜中に何度も目が覚めてしまうタイプの不眠症のことを言います。中途覚醒は加齢に伴い発症率が上がっていくことが特徴です。

中途覚醒が起こる原因は様々で、加齢や生活習慣の影響、肩や腰などの痛み、睡眠時無呼吸症候群、周期性四肢運動症などが代表的な原因と考えられています。もし毎日のように夜中に目が覚めてしまう場合は、何らかの疾患が隠れていることもありますから、一度、専門医に相談してみることをお勧めします。

中途覚醒の状態が長い間続くと、脳や体の疲労回復が満足に出来ないだけでなく、日中の集中力や注意力の低下、日中に睡魔に襲われてしまうなど日常生活に支障をきたす可能性が出てきます。

また、不眠症の中でも中途覚醒は精神的なストレスにつながりやすく、眠れないことに対するストレスが溜まっていき「うつ状態」になってしまう場合もあります。

日中も慢性的に疲労や眠気を感じる状態にあるようであれば、出来るだけ早い段階で何らかの対策を取るようにしてくださいね。

早朝覚醒

高齢の方によく見られる不眠症のタイプで、自分が起きようと思っていた時間よりもかなり早い時間に目が覚めてしまうという症状が見られるものを早朝覚醒と言います。

早朝覚醒である可能性が高いとされる症状が、目覚まし時計をセットしているのに2時間以上早い時間に目が覚める、夜中でも一度目が覚めたらなかなか二度寝が出来ない、などです。

季節により日の出の時間は左右するので、それに伴って起床時間が前後するのは仕方ありません。しかし、それとは関係なく起きたい時間よりも早く起きてしまう症状が週に2~3日以上、さらに1ヶ月以上続く場合は早朝覚醒の不眠症にかかっている可能性が高いです。

早朝覚醒は加齢に伴って深い眠りに入りにくくなることと、体内時計の周期がずれてしまうことが主な原因ですが、うつ病により早朝覚醒の状態に陥っていることもあります。最近、ネガティブ思考が強いなという自覚があるようであれば、一度心療内科などを受診して相談してみても良いかもしれませんね。

熟眠障害

熟眠障害とは、睡眠時間は十分に確保出来ているのに、朝起きた時に体の疲れが全然取れていないという症状が現れる不眠症です。他の不眠症の症状とは異なり、眠ることは出来るために自分が不眠症であることに気がつかず、対策が遅れてしまいやすいとされています。

ですが、厚生労働省で平成12年に行われた調査結果によると「朝起きても疲労感が解消されていない」と答えた方が20%以上もいたことから、潜在的な患者数はかなり多いのではないかと考えられています。

熟眠障害の原因として考えられているのは、まず「ノンレム睡眠が足りていないこと」が挙げられます。睡眠には眠りの浅いレム睡眠と、深い眠りのノンレム睡眠の2種類があります。このうち、体や脳の疲労を回復させるのはノンレム睡眠であるため、ノンレム睡眠の時間が足りなくなると翌朝になっても疲労が解消されていないということになります。

ただ、ノンレム睡眠時間を増やす効果的な方法は、現在のところ見つかっていません。一説によると、夜寝る前に強い光を浴びるような行動(例:夜中にコンビニに行く、寝る寸前までPCやスマホをいじっているなど)がノンレム睡眠の時間を短くさせているのではないかと言われています。

また、熟眠障害の影には睡眠時無呼吸症候群やむずむず脚症候群、周期性四肢運動障害などの疾患が隠れていることも多いとされています。朝目が覚めても体が疲れ切っていることが多いようであれば、一度睡眠外来のある病院で検査を受けてみても良いかもしれないですね。

マイスリーとは

2000年から販売

マイスリーとは、2000年にアステラス製薬から発売された薬剤で、不眠症(統合失調症及び躁鬱病に伴う不眠症は除く)に対して適応を持っています。剤形は5mg錠と10mg錠の2種類があり、症状に合わせて使い分けられることになります。

2015年3月現在で、マイスリーの売り上げは194億円ほどとなり、日本国内では非常にメジャーな睡眠薬の1つとなっています。また、日本以外でも欧米を中心に世界80か国で使用されている薬剤です。

ゾルピデムという睡眠導入剤

マイスリーは非ベンゾジアゼピン系睡眠薬に分類されています。これは広く処方されているハルシオンなどのベンゾジアゼピン系睡眠薬に近い薬剤で、効き目がよく、またペンゾジアゼピン系睡眠薬よりも安全性が高いという特徴を持ちます。

非ベンゾジアゼピン系睡眠薬は、脳の神経を静めて眠れないことによる不安や緊張状態に作用して自然な眠りへと導いてくれる、比較的ふらつき感を感じない睡眠薬になります。

臨床試験の結果も踏まえてマイスリーの特徴として挙げられるのが、以下の5つです。
・服用してすぐに効果が出てくるので、寝つきが良くなる
・ノンレム睡眠の中でも深い眠りへと導き睡眠の質を上げる
・翌朝まで眠気や倦怠感などの症状が続かない
・突然中止しても、不眠症の症状が強く出ないとされている
・他の睡眠薬よりも催眠、鎮静作用が最も出やすいので、寝つきの効果が期待できる

これらの特徴の詳細については、この後で詳細にご紹介致します。

ドラッグストア・通販購入不可

マイスリーは市販薬されていません。マイスリーの主成分である「ゾルピデム」が向精神薬に指定されているため、入手するためには必ず医師の処方箋が必要になり、処方箋を取り扱う保険薬局で手に入ります。なぜなら、睡眠薬は医師の診断によりどの薬が自分の症状に合っているのかを診断して貰う必要性があるからです。

また、ドラッグストアや通信販売で手に入らないからと言って、向精神薬に指定されている薬剤を個人輸入などにより入手した場合は、「麻薬及び向精神薬取締法」に違反することになるので注意が必要です。もし違反してしまったら、5年以下の懲役が科せられます。また営利目的で個人輸入した場合は7年以下の懲役、または200万円以下の罰金が追加されます。

マイスリーの効果

マイスリーが効果を発揮する仕組み

マイスリーは、GABAを強めることで効果を発揮します。GABAは、抑制系神経に関与している物質で、GABAが作用することで脳の働きが強く抑制され、眠気を催すのです。

マイスリーは、GABA受容体のω受容体というところに作用します。このω受容体には、ω1受容体とω2受容体の2種類があり、ω1受容体には催眠作用、ω2受容体には痙攣や不安の抑制、筋弛緩作用があります。

これまでの睡眠薬(ベンゾジアゼピン系)は、このω1受容体とω2受容体の両方に作用していたため、効果と共に筋弛緩作用などの副作用が起こりやすくなっていました。ですが、マイスリーは(非ベンゾジアゼピン系)はω1受容体のみに選択的に作用するため筋弛緩作用が起こりにくくなっているのです。

不眠症の改善

マイスリーは超短時間作用型の睡眠薬に分類される睡眠薬です。服用後すぐに効果が現れ始め、約2時間後には薬の作用が切れてしまいます。そのため、寝る時間になってもなかなか寝付くことが出来ない入眠障害タイプの不眠症に対しては非常に効果的な薬剤です。

ただ、薬の作用時間が短いために、夜中に何度も目が覚めてしまう中途覚醒や朝早くに目が覚めてしまう早朝覚醒タイプの不眠症に対してはあまり効果を期待することは出来ないとされています。

不眠症のタイプが、中途覚醒や早朝覚醒であった場合は、短時間型や中時間型に分類されている睡眠薬を使用する必要があります。

脳の神経を安定させる

マイスリーには、様々な理由により興奮してしまった脳の興奮を抑えたり、ストレス状態にある時の脳の活動を鎮める効果を持っているため、脳の神経を安定させる効果が期待出来るとされています。

脳の神経を安定させる効果を持っているため、脳の活動を鎮めて深い眠りを促すだけではなく、精神状態を安定させる作用があることもマイスリーの特徴の1つと言えますね。

睡眠の質を良くさせる

人は睡眠中に、体は休息状態にあっても脳が活動しているレム睡眠と脳も体も休息状態になるノンレム睡眠の2つを繰り返しています。また、ノンレム睡眠は4つのステージに分かれており、ステージ1から2は浅い睡眠ですが、ステージ3から4は深い睡眠状態でリラックス状態にある徐波睡眠となります。

マイスリーを服用すると、ノンレム睡眠の中のステージ3と4の時間が増えることが臨床試験に報告されています。心身ともにリラックスさせる徐波睡眠が増えることから、マイスリーは睡眠の質を良くする睡眠薬と言われているのです。

一方、ベンゾジアゼピン系睡眠薬は、深い睡眠が減少して浅い睡眠が増えてしまうことが分かっています。眠ることは出来るのですが、睡眠の質が悪化してしまうことが多く、翌朝にすっきり感を感じることはほとんどないとされています。

短時間で効果が切れる

マイスリーは血中半減期の短い、超短時間作用型の睡眠薬です。そのため、効果の持続時間が短く、服用から2時間から3時間程度には薬の効果が無くなります。

中途覚醒や早朝覚醒タイプの不眠症にはあまり効果を期待することが出来ないという短所がありますが、翌朝まで薬の効果が残ってしまって望ましくない作用が出る確率は少ないという長所を持っています。

翌朝まで効果を持ちこさない

翌朝への「持ち越し効果」とは、ベンゾジアゼピン系睡眠薬を飲んだ人が、朝になっても頭がボーっとしたり、身体がふらつく、眠気により頭痛が出たりなど薬の効果が持続していることを言います。

これは効果が長いタイプの睡眠薬によく見られる現象ですが、マイスリーは超短時間型の睡眠薬のため、翌朝への持ち越し効果が少なく、睡眠薬を使用した次の日の学業や仕事などに影響を及ぼしにくい薬剤とされています。

反跳現象が弱め

反跳現象とは、睡眠薬を服用して満足のいく睡眠が得られるようになった後、突然睡眠薬の服用を中止してしまうと、睡眠薬の服用前よりも強い不眠症状が現れる現象のことを言います。反跳現象のほか、反跳作用、リバウンド現象、反跳性不眠などとも呼ばれることがあります。

マイスリーは添付文章によると反跳現象は見られないとされていますが、長期間服用後に突然服用を中止すると反跳現象が見られたという報告がされています。そのため、マイスリーの反跳現象は見られないのではなく、「弱め」と考えるのが現在の一般的な考え方のようです。

マイスリーを長期間服用して中止する際は、自己判断で勝手に中止したりせず、必ず処方医に相談して、少しずつマイスリーの服用量を減らしながら薬の服用を止めるようにしてくださいね。

マイスリーの副作用

幻覚

マイスリーの服用により、脳が中途半端な覚醒状態に陥ってしまうと稀に幻覚を見ることがあるとされています。これはマイスリーがGABAの活動を増強させて眠りを促すという作用機序に原因があり、脳に作用する過程で様々な影響を与えてしまうためです。

幻覚のほか、幻聴や一時的な記憶喪失といった症状が起こることもあります。

健忘

マイスリー服用後、無意識のうちに歩き出したり、人と会話したりすることがあります。これは超短時間型のベンゾジアゼピン系(ハルシオンなど)の睡眠薬に多いとされている副作用ですが、マイスリーでもまれに起こることがあります。

これは睡眠薬の服用により、中途半端な覚醒状態がもたらされてしまうことが原因と考えられています。これは睡眠薬の服用量が多い場合にも起こりやすい副作用とされていますから、このような症状が出た場合には、服用量を減らしたり、別の作用時間が長めの睡眠薬に切りかえることが有効な対策となります。

ふらつき

マイスリーは超短時間型の睡眠薬であるため、即効性があり、薬の効果がやや強めの薬剤です。眠る準備をしっかりと整え、あとは寝るだけの状態になってから服用しなければなりません。もし、マイスリーを服用した後にそのまま布団に入らず何かしら作業をしようとすると、眠気に襲われふらつきを感じる場合があります。

またマイスリーを服用し2~3時間程度で一度起きてトイレに行こうとすると、まだ薬の作用が残っているのでふらつきを感じる可能性があります。

依存

マイスリーなどの非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬は、ベンゾジアゼピン系睡眠薬と比べると、依存性や耐性の形成は起こりにくいとされています。ですがもちろん、絶対に起きないというわけではありません。

依存性とは、薬の服用を続けるうちにだんだんとその薬なしではいられなくなってしまう状態のことを言います。依存性は、使用量が多いと早く形成されることが分かっていますし、薬の服用期間が長期間に渡るほど依存性形成のリスクが高まるとされています。

マイスリーを服用する際は、医師から指示された用量をきちんと守り、睡眠薬が必要のない状態になったら漫然と服用を続けずに、すっぱりと服用を止めることが大切です。

耐性

耐性とは、薬を飲み続けているうちに体が次第に薬に慣れてしまって、だんだんと薬が効かなくなってしまう状態のことを言います。服用開始当初は1錠飲んだだけでもぐっすりと眠ることが出来ていたのに、次第に1錠飲んでも全然眠れず服用量が増えていってしまうということが起こります。

耐性も依存性と同様に、服用量が多いほど、また服用期間が長期間に渡るほど形成されやすくなります。自己判断で薬の服用量を増やしたり、漫然と服用を続けたりすることがないよう注意するようにしてくださいね。

悪夢

マイスリーでは稀な副作用ではありますが、服用により悪夢を見ることがあるとされています。この悪夢を見てしまうメカニズムははっきりと解明されておらず、薬の成分が脳に何らかの反応を起こして生じる現象ではないかと推察されています。

マイスリーの服用による悪夢を起こさないようにするためには、服用を急に止めてはいけません。少しずつ服用量を減らして、副作用自体を起こさないようにすることが大切です。

また、マイスリーと抗うつ剤を併用している場合には悪夢を見やすくなるとされています。もし抗うつ薬を使用している場合には、医師と相談の上、少しずつ抗うつ薬やマイスリーの服用量を減らしていくことも方法の1つかもしれませんね。

マイスリーとハルシオンの違い

血中半減期の違い

睡眠薬は、血中半減期により作用時間が異なり、大きく4種類に分類されています。

(1)超短時間型:半減期が2時間から4時間
(2)短時間型 :半減期が6時間から10時間
(3)中時間型 :半減期が12時間から24時間
(4)長時間型 :半減期が24時間以上

血中半減期とは、服用した薬の血中濃度が半分になるまでにかかる時間の事を言います。これは概ね薬が作用する時間を表しており、マイスリーは超短時間型の睡眠薬に分類される薬剤です。

マイスリーは、薬を服用してから1時間未満で血中濃度が最高値になり、約2時間で半減期を迎えて効果がなくなります。つまり、マイスリーは即効性が期待でき、体内に長時間留まらないため、持ち越し効果の少ない睡眠薬であるということが出来ます。

ハルシオンは、マイスリーとは異なるベンゾジアゼピン系の睡眠薬ですが、マイスリーと同様に超短時間型の睡眠薬に分類されています。服用してから1.2時間ほどで最高血中濃度に到達し、約3時間ほどで血中半減期を迎えます。

そのため、マイスリーもハルシオンも「なかなか寝付けない」という入眠障害タイプの不眠症に用いられることが多いですが、「夜中に目が覚めて困る」中途覚醒タイプの不眠症にはあまり向いていない睡眠薬といえますね。

副作用が出やすいか出にくいか

ハルシオンは「ペンゾジアゼピン系」、マイスリーは「非ベンゾジアゼピン系」の睡眠薬であるため、発現する副作用の種類に違いがあります。ペンゾジアゼピン系の睡眠薬には、睡眠作用の他に下記のような薬理作用があることが分かっています。

■ベンゾジアゼピン系睡眠薬の薬理作用
・睡眠作用(鎮静作用)
・抗不安作用
・抗痙攣作用
・筋弛緩作用
・健忘作用

このような薬理作用を持つため、ベンゾジアゼピン系睡眠薬の筋弛緩作用や健忘作用により、これらの副作用が発現しやすくなります。例えば、筋弛緩作用が強く現れてしまうと、翌朝足元に力が入らず転倒するリスクが出てきてしまうのです。

一方、マイスリーは睡眠作用に特化した睡眠薬ですから、これらの副作用が出にくく安全性が高いとされています。そのため、安全性を考慮してハルシオンよりもマイスリーを処方する医師が増えてきているようです。

マイスリー服用する際の注意点

睡眠直前に飲む

マイスリーを服用する際は、必ず就寝直前に飲むよう医師から指導されるのではないかと思います。これはマイスリーの服用に伴って朦朧状態や集中力・注意力の低下、反射運動能力などの低下といった影響があるためです。

また、就寝直前に服用する場合であっても、睡眠時間が短かったり一時的に目が覚めてまだ薬の作用が残っている場合、作業をしようとしても頭がボーっとしてしまったり、健忘症状が出てくる可能性があります。マイスリーの成分が血中で減ってくる時間よりも睡眠時間が確保できない場合は注意が必要です。

睡眠時間を十分に確保することが出来ない時や薬の効果が切れる前に活動しなければならない予定がある時には、マイスリーの服用は避けるようにしてくださいね。

酒・アルコール

基本的にどのような睡眠薬であっても、睡眠薬を服用する場合にはアルコールと同時に摂取してはいけません。その中でも特にマイスリーは服用の前後にアルコールを摂取してしまうと、精神機能・知覚・運動機能低下が増強してしまうことが分かっています。

その代表的な症状が異常行動です。本人の意識が定かでない中で、無意識に危険な行為をしてしまうなど、最悪の場合へとつながる可能性があります。

またアルコールによりマイスリーの作用を強めてしまい、翌日になってもふらつきや倦怠感を感じるなどの副作用が強く表れることがあります。マイスリーだけではありませんが、睡眠薬とアルコールは併用するとお互いの依存性を高めてしまう場合もあるのでアルコールを摂取するのは避けましょう。

致死量

現在一般的に使用されている睡眠薬は、服薬自殺のリスクのある方でも処方することが出来るように開発されたものがほとんどです。そのため、数百錠、数千錠という非常に大量の睡眠薬を服用しない限り、致死量には達しないとされています。

ただ、医師から指示された以上の量を服用してしまうと、傾眠や昏睡などの意識障害が出る可能性があるほか、中枢神経抑制症状、血圧低下、呼吸抑制、無呼吸などの重篤な症状が現れる可能性があります。

安全に使用するためにも、マイスリーを服用する場合は医師や薬剤師の指示に従って服用するようにし、自己判断で薬の量を増やしたりすることは絶対に避けるようにしてくださいね。

妊娠中・授乳中の場合

妊娠または妊娠している可能性のある女性の場合、薬によってもたらされるメリットが副作用などのリスクを上回ると判断された場合にのみ投与するよう添付文章に記載されています。これは、妊娠中の投与例が少なく、安全性に関する検討が十分に行われていないためです。

また、妊娠後期にマイスリーを服用した妊婦さんから生まれた赤ちゃんで、、呼吸抑制や痙攣、哺乳困難、振戦、易刺激性などの症状が現れたという症例が報告されています。

授乳中の場合には、基本的にマイスリーの服用は避けなければなりません。これはマイスリーが母乳の中に移行することが分かっているためで、授乳された赤ちゃんに嗜眠が起こるリスクがあるためです。

もしどうしても授乳中に服用する必要がある場合には、服用中は母乳を赤ちゃんに与えないようにしてください。母乳を再開するまでの時間は最低でも3時間、可能であれば5時間以上空けるようにしてください。

ですが、目安の時間を空けていても確実に安全であると言い切ることは出来ません。授乳中にマイスリーを服用する場合は、必ず医師に相談するようにしてくださいね。

高齢者または小児に使用する場合

高齢者への投与は運動失調が起こりやすいことに加え、副作用が発現しやすいために、投与を開始する場合は必ず1回5mgから始める必要があります。また、1回の服用量が10mgを超えないよう留意するようにしてください。

マイスリーは、低出生体重児や新生児、乳児、幼児、小児に対する使用経験がないため、小児への投与は安全性が確立していません。大人に対して処方されたマイスリーを、子供の不眠症に流用するのは絶対に避けるようにしてくださいね。

添付文書をよく読む

マイスリーは睡眠薬の中では、安全性が高いとされている薬剤です。ですが、いくら安全性が高いと言っても、注意すべき副作用もある睡眠薬であることに変わりはありません。

マイスリーを服用する場合には、処方医や薬剤師の指導にきちんと従って服用するようにしてください。また、マイスリーの処方を受ける際には、添付文章や薬のしおりという薬の説明書を一緒に渡されることが多いです。

そこに書かれている注意書きをきちんと読み、自己判断で服用量を増減させたり、服用を中止してしまうことがないようにしてください。副作用が出たり、何か気になる症状が現れた場合には医師や薬剤師にきちんと相談することも大切です。

安全にマイスリーの効果を得るためにも、これらのことはしっかりと守るようにしてくださいね。

まとめ

マイスリーは効果と安全性のバランスが良いため、処方されることが多い睡眠薬の1つです。数ある不眠症の症状の中でも、特に入眠障害の改善に優れた作用を期待することが出来るだけではなく、睡眠の質を良くしたり、精神状態を安定させたりする作用も期待することが出来ます。

ですがマイスリーにも、もちろん注意すべき副作用があります。マイスリーの副作用は、服用量が多くなったり、試用期間が長期間になるほど出やすいものも少なくありません。マイスリーを服用する際にはきちんと医師の指示に従い、自己判断で薬の服用量を増減をさせたり、止めたりしないように注意する必要があります。

服用時にも注意が必要です。妊婦さんや授乳中の方で服用する必要がある場合には、まず医師に相談し、服用により得られるメリットが副作用などのリスクを上回ると判断される場合にのみ服用するようにしてください。

マイスリーは2000年に発売された薬剤であるため、すでにジェネリック医薬品が発売されています。基本的な主成分は先発品と変わりありませんので、気になる方は医師に相談してみても良いかもしれませんね。

睡眠薬に限らず、医薬品を使用する場合には必ず医師や薬剤師の指示に従い、出来るだけ安全に効果を得ることが出来るよう注意して使用するようにしてください。もし何らかの異常があったら放置せずに、必ず医師に相談しましょう。