契約社員が退職するときの基礎知識!タイミングや失業保険は?疑問を解決!

契約社員という働き方のメリットとデメリット、退職するときの方法や、失業保険を上手にもらう方法について解説します。現在契約社員として働いている方だけでなく、これから契約社員として働くことを検討されている方も、ぜひ参考にしてください。

契約社員でもスムーズに退職

契約社員は契約期間が決まっていますので、正社員に比べると不安定な雇用形態です。また、契約期間中に辞めたくなったとき、スムーズに辞められるのかな?という不安もあるでしょう。

契約社員の方が退職するときのノウハウ、そして失業保険についても詳しく説明しますので、参考にしてくださいね。

契約社員の基礎知識

契約社員とは

契約社員とはどのようなものでしょう?実は、契約社員の定義は決まっていないのです。とはいえ、ほとんどの場合は雇用期間が定められています。

正社員に比べると、転勤がない、副業が可能な場合もあるなどのメリットもあります。また、デメリットとしては、昇給がない、昇進がない、賞与がないことなどです。

契約社員は雇用期間が決められているため、雇用主も労働者も、特別な事情がなければ雇用期間の途中で一方的に契約を解除することはできません。

契約期間の定め方

契約社員は有期雇用契約を結んだ社員のことで、労働基準法では原則として1回の契約で働ける年数を3年としています。契約期間は3ヶ月や6ヶ月といった短期間から、1年や3年などの長期間までさまざまです。契約を継続する場合は契約更新が必要になります。

契約の更新・再契約について

契約期間を延長する場合、契約の更新が必要です。契約更新は、いつまでにしなくてはいけないという決まりはありません。しかし、3回以上の更新がある場合や、雇用契約が1年を超える場合、次回契約を更新しないなら30日前までに予告しなくてはいけません。

労働者が契約の更新をしない場合も直前に申し出るのではなく、早めに伝えておく必要があります。何日前までに伝えるかは就業規則に記載されていることが多いので、確認しておきましょう。

正社員や派遣社員との違い

雇用形態には、さまざまなものがあります。「契約社員」は「正社員」や「派遣社員」とどのような違いがあるのでしょう?

正社員は契約期間を決めませんので、何もなければ定年まで働き続けることができます。しかし、契約社員や派遣社員は契約期間があります。契約期間が満了しても契約更新されることがありますが、労働者が契約更新を希望しても、雇用主が希望しない場合もあります。契約社員や派遣社員の場合は、正社員のように長期的に安定した雇用形態ではありません。

また、先ほども触れましたが正社員と契約社員では、収入の面でも違いがあります。給与に関しては会社によって違いますが、正社員の場合は昇給がある会社も多く、業績が良ければ賞与が出る場合が多いでしょう。しかし、契約社員の場合は契約期間中の昇給はありませんし、賞与もない場合が多いです。

派遣社員も同じく賞与がありません。ただし交渉次第では時給がアップするケースもあります。契約社員と派遣社員は似ている部分もありますが、大きく違うのが雇用主です。契約社員は直接雇用になりますが、派遣社員は派遣元会社の雇用契約になります。

このように見てくると、契約社員は条件が悪いように感じる方も多いでしょう。しかし悪いことばかりではありません。正社員の業務時間は一律ですが、契約社員は雇用契約ごとに決められます。そのため主婦の方など、自分に無理のない時間帯で働くことができるというメリットがあります。

また、正社員の場合は一般的に二重契約ができませんが、契約社員の場合は週に何日働くか契約に明記することで副業が認められます。

シーン別退職のやり方と扱い

契約期間中の退職

契約社員は契約期間がありますので、基本的には契約期間を満了するまで働かなくてはいけません。契約期間中に一方的に辞めたいということになると、会社側に迷惑をかけてしまうことになります。

もし逆の立場で契約期間内なのに雇用主から契約を解除したいと言われたら困りますよね。雇用主も労働者もよほどの事がない限り、契約期間内の契約解除は避けなくてはいけません。

しかし、契約期間中は絶対に辞められないというわけではありません。やむを得ない事情がある場合は契約を解除できることになっています。もしやむを得ない事情があってどうしても退職しなくてはいけない場合は、できるだけ早く相談するようにしましょう。

3年契約での途中退職

契約期間が3年というと、3年間は仕事が安定しているという見方もできますが、もしその期間に退職したくなった場合、3年経つまで我慢しなくてはいけないのか、と不安になる方もいらっしゃるでしょう。3年という期間は長いですよね。その間にライフスタイルや心境の変化などがあるかもしれません。

労働基準法附則第137条には「労働契約の期間の初日から1年を経過した日以後においては、その使用者に申し出ることにより、いつでも退職することができる」と記されています。契約期間が3年という長期にわたる場合でも、1年以上働けば退職が可能なので安心ですね。

契約期間満了での退職

契約期間が満了しても、再契約という場合は多いです。しかし、他の仕事を探したい方や、もっと条件が良い仕事が見つかった方、しばらく仕事から離れてのんびりしたい方などは、次の契約期間が満了したときに退職したいという方もいらっしゃるでしょう。

契約期間満了まで働くのですから何も問題ないはず、と思ってギリギリまで再契約の意思がないことを伝えないのは問題です。雇用主は再契約してくれるだろうと考えているかもしれませんよ。

就業規則を見て、何日前までに退職の意思を伝えなくてはいけないか、確認しておきましょう。

やむを得ない事由での退職

契約社員は契約期間の初日から1年を経過したら、契約期間がまだ残っていても雇用主に申し出ることで退職をすることができます。しかし、1年以内であっても退職を望む人もいるでしょう。

契約期間内であっても「やむを得ない事由」があれば、契約を解除することは可能です。やむを得ない事由とは、本人の病気や怪我など、働きたくても働けないような理由があることです。

たとえば契約期間内に理想的な求人を見つけたときなど、今の仕事を退職したいと思うかもしれません。しかし、この場合はやむを得ない事由とは言い難いです。ただし、会社側に相談して理解を得られれば退職することも可能となるでしょう。

このようなケースは原則として契約解除理由になりませんが、誠意をもって相談すれば了承を得られるかもしれません。もちろん急な退職の申し入れは会社に迷惑をかけてしまいますので、早い時期に相談してみてはいかがでしょうか。

退職届(退職願)の書き方

そもそも提出必要?

契約社員が契約期間満了で退職をする場合、退職届(退職願)は必要なのでしょうか?答えはNOです。契約社員は契約期間だけ働くことが前提となっています。もともと契約期間が終了すれば、辞めることは決まっています。そのため退職届(退職願)は基本的に必要ありません。

しかし、企業によっては、退職届の提出を求める場合もあります。もし雇用主から提出してほしいといわれた場合は、退職届(退職願)を提出しましょう。契約満了前に退職するような場合は退職届(退職願)の提出が必要になります。

期限を考える

契約社員でも契約期間満了前に辞める場合は退職届(退職願)を提出しなくてはいけません。退職届(退職願)を提出するときは、辞める直前ではなく、余裕をもって提出するようにしましょう。

退職届(退職願)を提出する期限は2週間前までです。しかし、いきなり退職届(退職願)を提出するのではなく、まずは上司に相談をして退職日を決め、退職届(退職願)を出すタイミングを決めましょう。

退職理由を明確にする

退職届(退職願)を書くときは、退職理由を書くようにします。しかし、理由が必要といっても詳しい理由を書く必要はありません。転職時の履歴書に職歴を書くときと同様、自己都合であれば「一身上の都合により」と書きます。

また、契約社員の場合、会社都合で退職ということもあり得ます。その場合は会社都合であることがわかるように書きましょう。「貴社、人員整理により」など、自己都合ではないとわかるように書いておきます。

自己都合であるか、それとも会社都合であるかということは、失業保険に影響します。会社都合であれば、給付制限がありませんので、支給開始日が大幅に早くなります。

会社都合であるのに自己都合のように書いてしまうと、失業保険を受給するときに不利になってしまいます。退職理由は明確に書く必要はありませんが、自己都合か会社都合かということはハッキリわかるように書いておきましょう。

退職するときの疑問点

退職金なし?

契約社員として働くと、退職するときは正社員のように退職金が支給されるのでしょうか?退職後の仕事先が見つかっていない方は、生活費も必要なので、お金のことは気になりますよね。

契約社員としてある程度の期間を働いたなら、退職金が出るのではないかと思う方もいらっしゃるでしょうが、契約社員は退職金がもらえない場合が多いです。雇用契約書に退職金のことが記載されていない場合は、支給されません。契約時には労働条件や報酬について、契約書を確認しておきましょう。

失業保険はどうなるの?

契約社員でも1週間の労働時間が20時間以上で31日以上引き続き雇用されることが見込まれるなら、雇用保険に加入しなければいけません。以前は6か月以上の雇用見込みという条件がついていましたが、平成22年4月1日からは31日以上の雇用見込みとなり、適用範囲が拡大されました。

ただし雇用保険に加入しているからといって、全ての人が受給対象になるわけではありません。受給資格は雇用保険の加入期間が離職前の2年間に12ヶ月以上あること。特定受給資格者や特定理由離職者の場合は離職前の1年間に通算6ヶ月以上加入していることが条件です。

失業保険を受給するためには、ハローワークで手続きをしなくてはいけません。自己都合で退職した場合は7日間の待期期間の後に3ヶ月の給付制限がありますので、支給されるまでかなり待たなくてはいけません。しかし、会社都合という場合は給付制限がありませんので、自己都合に比べてずいぶん早く支給されます。

契約社員の退職が自己都合であるか会社都合であるかということは、少し複雑です。わかりやすいのは契約期間中に退職する場合で、会社から申し入れがあった場合は会社都合となり、特定受給資格者扱いになります。自分から申し入れた場合はもちろん自己都合です。

契約期間満了で退職する場合、契約期間が3年未満なら会社から申し入れた場合でも自分から申し入れた場合でも、自己都合となります。ただし失業手当の給付制限はありませんので3ヶ月待たなくても支給されます。

契約更新2回以上で3年以上雇用されている人が契約期間満了で退職する場合、会社から申し入れがあれば会社都合で特定受給資格者扱いになりますが、自分から申し入れた場合は自己都合となり、この場合は正社員と同じように見なされ給付制限がつきます。

失業保険は退職理由が自己都合か、それとも会社都合かということで、支給が始まるタイミングが異なります。また特定受給資格者の場合は給付日数が延長されます。契約社員の方が会社を辞めるときは、できるだけ損をしないよう上手に辞めたいですね。

契約途中なら損害賠償?

契約途中に突然退職されてしまうと会社は損害を被ることもあるでしょう。せっかく教育したのにすぐに辞められては費用を無駄にしたことになりますよね。また、1人が退職することによってプロジェクトが頓挫してしまい、会社は利益を失うといったケースもあります。

一般的には「損害賠償請求をする」という脅し文句を言われたとしても、実際に損害賠償請求にいたるケースは稀なようです。しかし、損害賠償請求が不可能というわけではありません。

やむをえない事情がある場合は契約期間中でも契約を解除することが可能ですが、やむを得ない事情とまで言えない理由で退職を希望する場合は、会社側によく相談して、認められた場合もできるだけ迷惑をかけないような形で退職すべきでしょう。

退職後必要になるものは?

退職時には後に必要となる書類をもらっておかなくてはいけません。後日郵送という場合もあるでしょう。離職票と雇用保険被保険者証(会社が保管している場合)は、ハローワークで失業保険の受給手続きに必要です。

転職先が決まっている人は、雇用保険被保険者証を転職先の企業に提出します。また、転職先の企業から退職証明書の提出を求められた場合は、退職先の企業に発行してもらいましょう。

源泉徴収票は転職先の企業に提出して年末調整をしてもらうことになります。年内に転職しなかった場合は、確定申告の際に必要です。

年金手帳を預かる企業もありますので、預けている場合は退職時に返してもらいましょう。

正しい知識と認識が大切です!

契約社員として働いている人は増えていますが、辞めるタイミングが難しいと感じている方も多いでしょう。退職後は書類をもらいに行くことや、返還すべきものを返しに行くこともあるでしょうから、できるだけ円満に退職したいですね。辞めるタイミングによって失業保険の給付制限にも違いが出ますので、時期を見計らって上手に退職しましょう。