契約社員の5年ルールって何!有給やボーナスは?いつか正社員になれる?

契約社員として働くことを選んでいる人も多い中で、企業側に良いように使われていませんか?実は、知らないと存してしまう契約社員のいわゆる「5年ルール」について詳しく紹介しています。また、契約社員と派遣社員の違いなど、意外と混同してしまっている基本的な知識についても徹底解説!

契約社員の5年ルールってなに?

契約社員を続けている上で、意識される年数に「5年」という数字があります。労働契約法によって定められている、法的な雇用に関する労働者の保護を目的としたもので、それが適用になってくる年数が5年なのです。

ここでは、契約社員として働いている、もしくは働く可能性がある場合に知っておきたい、そんな「5年ルール」についてや、契約社員の仕事の特徴や注意点など、詳しく紹介していきたいと思います。

契約社員とはどんな雇用?

労働期間が決まっている有期雇用

契約社員とは、労働契約時に有期契約として契約書が交わされている、労働形態を言います。分かりやすく言い換えれば、労働する期間が定められている状態の雇用の事です。

つまり、この場合、契約社員という名称ではなくても、嘱託や臨時、非常勤といった呼び方であったり、あるいはパートやアルバイトでも期間が定まっているのであれば、契約社員という分類に入っている場合もあります。

一般的には、正社員ほどではないが、ある程度社員に近い準社員と言った認識を持っている人も多いかもしれませんが、名称の意味としてはもっと幅が広いものになります。

有給休暇もある!アルバイトでも要チェック

実は契約社員であっても、いわゆるアルバイトであっても、条件にさえ当てはまれば、有給休暇の取得が労働基準法第39条によって認められています。

ただし、取得可能な日数には、勤続年数や労働日数によって違いがあったり、遡って取得申請が可能な期間は、2年と定められていますので、それ以上前に取得消化できていない有給休暇があったとしても、権利としては残りませんので注意しましょう。

例えば、週2日もしくは年間73~120日までの労働日数の人で、勤続年数が1年半の場合、年間に4日間の有給休暇の取得が認められています。

もし会社で拒否された場合には、労働基準監督署への通告や労働組合の結成などで、会社側と交渉することをおすすめします。ただし、退職後には取得権利が消滅しますので注意しましょう。

基本的には日給月給制が多い

契約社員の給与体系では、多くの企業が日給制を採用しています。しかし、基本的には月に1度定められた日に1ヶ月分の給与として、月給制と同じ様に支払われる事になっている事が多いので、この様な体系を日給月給制と呼びます。

これは、単なる月給制と違って、月額の給与が固定となっているのではなく、1日ごとに給与が発生しているものを1ヶ月単位で支払うといった形になります。このため、基本的には、欠勤分の給与が支払われなくなる場合が多くなっています。

ボーナスは出ない事が多い?

ボーナスというのは、そもそも法律で支払いが定められているものではありません。ですので、基本的には企業側に支払い義務が無いため、特に契約社員の場合は、ボーナスの有無は企業によって異なります。ただし、契約社員であっても、ボーナスを受け取れる場合があります。

これは、契約時にボーナスの支払いについても、明確に定められている場合になります。雇用契約時に就業規則として明記されている場合、企業側にも支払い義務が発生します。この事から、ボーナスを受け取れるようにしたいのであれば、契約時の交渉段階で、企業側に伝えておく必要がありますので注意しましょう。

退職金も出ない事が多い

基本的には、ボーナスと同じく契約社員の場合、退職金も出ない事が多くなっています。ただし、こちらも企業によって異なるため、長期間勤続している場合などは、契約更新時に交渉してみるのもおすすめです。

しかし、一般的には契約社員の基本給は、正社員よりも高めに設定されている場合があるため、織り込み済みとして、支払いが無い場合が多くなる傾向にあるようです。ボーナス同様、退職金の支払いは、企業側に法的義務はありませんので、全ては契約時の交渉次第でしょう。

契約更新時の雇用不安がある

契約社員が正社員よりも雇用不安がある要因には、やはり契約が有期であることが大きいのではないでしょうか。

たとえば3年の契約で、満期が来る頃に契約更新が果たして行ってもらえるのか、労働条件を厳しくされたり、契約延長の代わりに減給されたりしないかどうかなど、どうしても先が確約されていないという点では不安点があるのも事実です。

雇い止めの心配なども常に付きまといますので、前例の確認や正社員との雇用契約内容、就業規則などの違いを調べておくなど、自分が不当な扱いを受けずに済むように、ある程度事前に知識をつけておく事で、自ら交渉することが出来るようになります。

契約社員と派遣社員の違いは何?

契約社員と派遣社員は、一見混同してしまいがちですが、明確な違いは、それぞれの雇用形態にあります。基本的に契約社員も有期雇用契約を結びますが、契約社員よりも派遣社員の方が、より短期間の雇用契約になる場合が多くなっています。

また、一番大きな違いとしては、契約社員の場合は、直接仕事を請ける企業と自分で契約を締結する、直接雇用にあたるのに対し、派遣社員の場合は自分自身ではなく、所属している派遣会社と仕事先の企業との契約になります。

ですので、直接企業との交渉が行えるかどうかという点にも、契約社員と派遣社員では違いがあります。

知っておきたい契約社員の5年ルール!

5年以上雇用されている契約社員は無期契約に変更できる

2013年4月1日より施行された改正労働契約法によって、契約社員に一定の権利が法的に認められるようになりました。それは、5年以上継続雇用されている契約社員は、雇用形態に関わらず、希望すれば無期契約に変更することが出来るというものです。

これが、いわゆる5年ルールと言われている所以で、5年継続雇用されてきたか否かで、別れる部分になります。

また、いわゆる雇い止め防止のための根拠が明確化され、長く契約更新を何度も繰り返してきた場合(無期雇用状態とみなされる様な状態)や、合理的に契約更新の期待が認められる場合には、不当な雇い止めは解雇と判断され、損害賠償の対象になり得る様になりました。(2013年8月以降)

さらに、有期契約者と無期契約者の間で、労働条件に合理性を欠く不当な扱いを禁止されるようになりました。

無期雇用に転換されても正社員になれるわけではない

変更された大きな点は、5年越えて勤続している場合に、労働者が無期雇用を希望した際には、企業側はこれを拒否出来ない形になった部分や、不当な雇い止めの防止、労働条件の差異をつける事の禁止などの点になっています。

例えば、契約が無事に5年以上締結されていて、無期雇用に転換されたからといって、いきなり正社員への登用になるといった事ではなく、あくまで今までの労働条件のままであれば構わない、といった形です。

ですので、給与などの面でも昇給を求めるのであれば、あくまで新たに契約する時点で、企業側と交渉していく必要があります。詳しい変更点等は、厚生労働省の改正労働契約法についてのページを参照下さい。

施行日の2013年4月以降から5年後が適用

施行された2013年4月1日時点で、既に契約が5年以上継続雇用として交わされていたとしても、無期契約が適用になる訳ではありません。

というのも、この5年のカウント起算点が、施行日である2013年4月以降からとなりますので、5年経過は早くても、2018年4月1日以降という形になるので、注意が必要になります。自分の契約に不当な期間変更などがなされないためにも、しっかりと契約内容、特に契約期間は把握しておきましょう。

また、2014年4月1日から施行された変更点に、大学や研究法人等で契約社員として従事しているような教員や技術者、研究者などは一般職と違って、無期契約への転換が可能になる雇用期間を、5年から10年に延長された点がありますので、関わっている場合は注意しておく必要があります。

5年ルールのデメリットとは

5年経過するまで雇ってもらえない可能性も

この5年ルールのデメリットとして一番懸念されているのが、やはり契約期間を5年以上更新し続けてもらえない、つまり5年未満で契約満了とされてしまう可能性がある点です。

つまり、いわゆる雇い止めであったり、5年ルールの適用になる前にクビにしてしまう、といった事態を招くのではと指摘する声もあります。改正労働契約法では、このような事態を防ぐためにも、不当な雇い止めは禁止されるようになりました。

ですので、これまで継続して何度も契約更新してきたのに、5年目前になっていきなり打ち切られた、などの事由に当てはまる場合は、雇い止めは無効の判断となって、契約更新される可能性が高くなりますので、泣き寝入りしてしまわないようにしましょう。

労働条件が悪化することも

そもそも企業側が契約社員を雇うメリットとしては、人件費の見通しが立てやすい点があります。例えば1つのプロジェクトの期間ごとに、追加人員の補充をしたい場合などに雇用するなど、事業の状況に応じて調整しやすいといった部分です。

ですので、これが無期雇用契約となってくると、人件費削減のために、基本的な労働条件が悪化した契約を迫られる可能性があります。部署変更であったり勤務時間の短縮、もしくは超過、給与のダウンなども含めて、契約内容はきちんと確認してから更新などの手続きを勧めるようにしましょう。

無期雇用になっても労働条件は変わらない

晴れて勤続期間が5年以上となって、無期契約に至ったとしても、企業側には、無期契約に転換の際に社員登用としたり、昇給などの優遇措置を取る義務はありません。

ですので、労働条件に変更が出るわけでは無いため、正社員が毎年昇給していくと言った形であっても、契約社員の場合期間が無期に伸びるだけで、昇給自体は約束されていないのです。

つまり、突然の解雇などの職を失う意味での雇用不安は解消されたとしても、同じ年数勤続している正社員と比べて、給与面で劣ってしまう可能性があります。

その場合も、契約時点で企業側と交渉する必要がありますので、無期雇用だけで満足してしまわずに、しっかりと長期的にボーナスや退職金、有給についての取り決めなども交渉しておきましょう。

実は契約社員の3年ルールもあった!

有期労働契約は最長で3年

契約社員の有期雇用形態で、この雇用期間には最大で3年間とする、いわゆる3年ルールというものも存在します。労働基準法第14条で定められており、5年満期などの契約を最初の契約段階で確定させることは出来ない形になっています。

つまり、勤続し続けるためには、契約の更新が少なくとも1度は必要となってくるのです。これは派遣社員やパート、嘱託など雇用形態に違いはなく、あくまで有期契約は3年までとなっています。

しかし、高度専門職、有資格者(年収1千万円を超える様な場合)や、満60歳以上の労働者の場合は、上限が例外として5年までとされています。

契約社員のメリットはどんなところ?

仕事内容を話し合いで決められる

契約社員のメリットとしては、やはり雇用形態や仕事内容を交渉次第で自分で主張していける点でしょう。例えば、家庭の事情などの制約があった場合なども雇用計画が立てやすくなっていたり、残業の有無についてや給与面の交渉ができます。

また、スキルアップの一環として、一時的にその企業で就業するといった形で利用して、短期間だけ契約することも出来るため、雇っている企業側だけでなく、雇用される労働者側の条件にも、正社員に比べて合わせやすいといったメリットが有ります。

専門職などは正社員よりも稼げることも

専門的な知識やスキル、技能を手に持っている場合は、正社員よりも多く稼ぐことが可能になってくる可能性があります。特にシステムエンジニアや医師、公認会計士といった資格を持っている場合には、手当として支給が増額されるケースもあります。

また、日給制など正社員のように、基本給が固定でない契約の場合には、働いた日数分加算されてくるため、給与もその分増えてくるなど、働き方や交渉次第で変化してきます。

自分のライフスタイルで働き方は多様化出来る!

いかがでしたか?働き方が多様化しているため、自分のライフスタイルに合ったものを選択出来るようになってきました。

しかし一方で、ある程度の法律に関する知識を持って交渉をしていかなければ、契約社員という立場上、知らないうちに不利な労働条件で契約してしまう、といったケースに陥ってしまったり、不当な扱いを受けているにも関わらず権利を行使出来ることを知らずに、泣き寝入りになってしまいかねません。

しっかりと情報収集をしながら、制度の変更などにもアンテナを張っておきましょう。