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忙しい毎日の中で、つい家事を「面倒くさいなぁ」と思ってしまうこと、ありませんか?実は、やらなきゃいけないことを「面倒くさい」と思ってしまうとき、あなたの脳内は混乱状態になっています。脳がやるべきことを的確に認識できていないので、動き出すことができないのです。脳の混乱状態をとくだけで、それまで「面倒くさかったこと」が、あっという間に片づきます。その簡単な方法を実践してみましょう。

やらなきゃいけないことを「面倒くさい」と思ってしまうのはなぜ?

やらなきゃいけないことを溜め込んでいませんか?

片づけ、掃除、洗濯、皿洗い……せっかくの休日なのにあれもこれもやらなきゃいけないことがあって、ゆっくり休めない、なんてことありませんか?
「早くやらなくちゃ…」なんて思いながらなかなか動き出せなくて、気づいたら午後もいい時間…なんてこといにもなりがちです。

そもそも、どうしてこのようなことが起こるのでしょう? 簡単にいうと、そうやってやらなきゃいけないことを面倒くさがっているとき、あなたの脳は、あなた自身に「これをやりなさい」という命令を正しく出せていません。だから、「これをやらなきゃ」と漠然とは思っていても、実際に体を動かすことができないのです。

ところで、つい「面倒くさい」と思いがちなことでも、それほど苦にならない日ってありませんか? 面倒くさいと思うこともなく、やるべきことがすんなりできていた。そんなとき、脳からはとてもシンプルでわかりやすい命令が出ています。つまり、脳から出る命令を「部屋を片づけなさい」とか「掃除機をかけなさい」とか「洗濯物をたたみなさい」などと、シンプルでわかりやすい形にすることが、「すぐやる」ためには大切なのです。

つまり、特別に気合いをいれなくても、脳からの命令さえ変えれば、やるべきことにすぐ手をつけられる、ということになります。この脳からの命令を書き換えるのは、実はとっても簡単。脳が命令を出すしくみを見ていきましょう。

脳と体は、お互いに命令を出し合っている

私たちはつい、「脳は命令を出す一方で、体は命令を受け取る一方」というふうに考えてしまいがちです。でも、この勘違いが「すぐやらない」原因といえるでしょう。

脳は実は、命令を出すための材料を、感覚を通して得ています。たとえば何気ない瞬間にスマホが視界に入ったとしましょう。すると脳は、その「目で見た感覚」をもとに、「スマホに手を伸ばしなさい」という命令を体に送るのです。

このとき、私たちが「スマホを見た」と感じているかどうかは、脳の命令には関係ありません。ただ視界の中にスマホがあったというだけで、「スマホに手を伸ばしなさい」という命令が出されてしまうのです。

この感覚と脳とのやりとりは、「目で見たもの」だけに起こっているわけではありません。「耳で聞いたこと」「実際の動作」など、あらゆる感覚が脳に「命令の材料」を提供しているのです。

面倒くさいのは、「命令」と「やるべきこと」がかみ合っていない証拠

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では、私たちが「面倒くさい」と思うとき、脳内ではどのような状態になっているのでしょう? 簡単にいうと、「脳が出している命令」と「やらなきゃいけないこと」がかみ合っていません。
先ほどの例でいうと、本当は家事をしなければいけないのに、脳は「スマホに手を伸ばしなさい」と命令を出している。どうにもちぐはぐですよね。それで、動き出すことができなくなって「面倒くさい」という感情が生まれているのです。

ということは、脳の命令を「家事をしなさい」にできれば、すんなりと動き出せる、というわけです。

誰でもカンタン!やるべきことを「すぐ」やる4つのコツ

このように、脳から「すぐやる」ための命令を出す方法は、本当に簡単なことばかりです。

「本当に、こんなことですぐやれるようになるんですか?」と疑問を持たれる方もいるかもしれません。まずは騙されたと思って、1回試してみてください。

最初は試すために少し、意志の力が必要になりますが、脳が「すぐやる」命令をスムーズに出すようになると、それまでの「先延ばしグセ」がウソのようになくなります。

ポイントは、脳に何を見せるか? 何を感じさせるか?

脳は、私たちが「見たもの」「聞いたもの」「感じたもの」をもとに、次の行動の命令を出している。そのことがわかれば、「やるべきことをしなさい」という命令を脳に出させるのは難しいことではありません。
脳に見せるもの、聞かせるもの、感じさせるものは、簡単にコントロールできるからです。ここでは、簡単に家でできる4つのアイデアをご紹介しましょう。

1.スマホを視界に入れない

くり返しになりますが、私たちの脳は、スマホが視界に入っただけで、「スマホに手を伸ばしなさい」という命令を出してしまいます。なので、すぐにやらなきゃいけないことがあるときは、スマホが視界に入らない状況をつくることが大切です。

「家に帰ったらすぐに家事をしよう」と思ったら、家に着いた直後にスマホを鞄から出さないようにしてみてください。それだけで、家事にすんなり取り掛かることができるはずです。

また、「電車に乗るとついスマホでSNSやゲームをしてしまう。ちょっとの時間のつもりが、結局降りるまで続けてしまう」という場合も、この方法は効果的。電車に乗って最初にスマホを出さないようにすればいいのです。一度始めてしまったスマホを切り上げて他のことをするより、しようと思っていたことをしてからスマホをするほうが、労力ははるかに少なくて済むでしょう。

2.「もの」の定位置を決める

家に帰ると何となくテレビを見始めてしまって、つい夜更かしをしてしまう、という人にオススメなのが、「リモコンの置き場所を決める」ことです。
先ほどもお話ししたように、視界に入ったものは、「それがある」と意識することもないままに、脳からの命令をつくる材料にされてしまっています。ですから、ふだん家の中で、無造作に置かれているものほど要注意。いつの間にか視界に入り、脳が「リモコンに手を伸ばせ」という命令をいつの間にか出してしまっている可能性があるのです。

そういうとき、有効なのが「定位置を決める」こと。「いつもここに置いておく」と決めれば、「テレビを見よう」と自分で思ってリモコンを取りに行くことになります。
この「自分で思って」というプロセスが入ることで、脳が勝手に「リモコンに手を伸ばせ」と命令を出してしまうのを防ぐことができるのです。

3.「こんなふうになりたい」という人を見る

「無意識に目に入ったものに、次の行動が影響される」。このルールは、もちろん人間に対しても有効です。無意識に目に入った人のしていることに、私たちは大いに影響を受けています。そこで、もし「こんな人みたいになりたい」と思える人がいたら、その人が自然に視界に入るようにしておくといいでしょう。

それは、実在の人物でももちろんいいですが、テレビや映画の中の人物でも構いません。「こんなふうに暮らしたい」と思う人が視界に入っているだけで、あなたの脳はあなたに、
「その人みたいにやりなさい」と命令を出してくれます。

脳には「ミラーニューロン」という神経細胞があり、周囲の人の行動を真似するようにできているからです。そのため、その「こんなふうになりたい」と思う人に影響されて、気がつかないうちにあなた自身がその人のように行動するようになっているはずです。

このとき、その「こんなふうになりたい」という人と対面するのではなく、同じ方向を見ていて視界に入っている状態になれると、よりその効果が高まります。

4.お皿を1枚だけ流しに運んで、まず洗ってみる

最後は、脳が勝手につくり出している「ルール」を変える方法です。

私たちは無意識のうちに、自分の動作に「切れ目」をつくっています。たとえば使ったものをすぐにもとの位置に戻せない人は、「ものを使う」というところで動作の切れ目がきてしまい、「使ったものを片づける」は新しい動作として認識されています。それで、「使ったらすぐに片づけよう」と思っても、脳がそのルールに従って動作を区切ってしまうので、片づけるために労力が必要になってしまいます。

そこで、一つの動作が終わったあとに、すぐ次のことに取りかかれないという人は、その「ルール=脳が把握している動作の切れ目」を見直してみましょう。

たとえば、食事のあと、流しに食器を持っていったまま洗い物を溜めてしまう人の脳は、
「食器を流しに運ぶ」ことを動作の切れ目として認識してしまっています。そこで、その認識を変えるために、すべてのお皿を流しに運ぶ前に、運んだお皿を1枚だけでも、まず洗ってみるのです。

すると、「食器を流しに運ぶ」ことを切れ目として認識していた脳は、少しビックリします。そして、「食器を流しに運ぶ」ことと、「お皿を洗う」ことを、ひとつながりの動作として認識してくれるようになるのです。

でも、好きだからやめられない…という人は

「好きだからやめられない」は、脳がつくり出した「言い訳」

「スマホやテレビをつい見ちゃうのは、こうすればやめられます。やるべきことをすぐにできるようになりますよ」と言われると、「でも、私はスマホやテレビが好きなので、やめたくないんです」と返したくなりませんか?
私たちの脳は、自分が「ついやってしまうこと」を、「好きだ」と思うようにできています。

たとえばよく衝動買いをしてしまう人は、「私は買い物が好きだから、仕方ない」と言います。つい飲み過ぎてしまう人は、「お酒が好きだから、しょうがない」と言いますね。

つい言ってしまう人、他人が言っているのを聞いたことがある人も多いのでは?

でも、この「好きだから」というのは、実は要注意。実は、ついついやってしまったことに対して、脳は「好きだから」と後付けで言い訳していることがあります。

まずは1回でいいから、試しに「好きなこと」をやめてみると…

その証拠に、「好きだからやめられない」と思っていたことをやめた人を見てみましょう。

たとえば、ヘビースモーカーの方はよく、「自分はたばこが好きだからやめられない」と言います。でも、その人が禁煙に成功すると、とたんに、「禁煙してよかったです」と言うのです。その方に、「たばこは好きですか?」と聞くと、今度は、「やめたとたん、たばこの臭いに敏感になってしまって…もう吸えませんね」なんて言い出します。

好きだからやめられなかったはずなのに、やめた瞬間、嫌いになる。それは、もともとそんなに好きではなかったのに、その依存性に引きずられてやめられないことを、脳が、「たばこを好きだから、やめられない」と言い訳をしているだけなのです。脳科学的な観点で見れば、このとき、脳内では「ドーパミン」という物質が分泌され、依存状態になってしまっています。

これは、ギャンブルなどをやめられない人も同じです。

もっといろいろなコツを知りたいときは?

このように、脳のしくみがわかり、すぐやらない理由がわかると、やるべきことをすぐやれるようになります。

この項目では4つだけを取り上げましたが、どんなことがすぐにできないのかによって、対処方法はさまざまです。

本書では、「やるべきことをすぐにできない原因」を大きく9つに分け、それぞれを改善するための具体的なアイデアをいくつも紹介しています。すると脳が「すぐやる」ための命令を体に出すようになるので、これまでは面倒だと感じていたものでも、いつの間にかやる気になっていたり、すでに行動に移してしまっていたりするのです。

 

すぐやる! 「行動力」を高める“科学的な”方法

すぐやる! 「行動力」を高める“科学的な”方法

 

 医療現場で実証済みだから、安心!

この本を書いたのは、リハビリテーションの専門職で脳の働きを研究している、菅原洋平さん。リハビリテーションと「すぐやること」には関係がないように見えますが、リハビリテーションが必要な状況とはつまり、脳の命令が的確に体に届いていないということです。その命令の出し方を改善するという考え方は、とても科学的で実践的といえます。

脳のしくみがわかりやすくまとめられているので、やるべきことがすぐにできない原因も、その対処法もすぐにわかります。

今まで「やらなきゃいけないんだけど、後でいいか!」「うーん、○○になったらやろう」などと、つい先延ばししがちだった家事もはかどり、バタバタしない、ゆとりある毎日を送れるようになるでしょう。